臨床心理士の離婚相談 〜第三者として夫婦に入ること〜

一般的に離婚相談といえば弁護士さんを思い浮かべる人は多いと思います。


私は臨床心理士、公認心理師、一般的な言い方でいうと心理カウンセラーとしてカウンセリングをさせて頂いていますが、そとから見ているととても不思議な仕事に見えるようです。

ここで心理カウンセラー一般はというと他の方に怒られそうなので私はという括弧付けで書かせて頂きます。

弁護士さんは法の専門家です。離婚にするにあたり有利になるように法的知識をつかってサポートします。一方私は、心理学をベースとしたカウンセリングをとおして、夫婦が問題解決に向けて建設的な会話をできるように援助をしています。

まだわかりにくいですね。

たとえば、離婚したいと思っている夫と、別れたくない妻。二人で話してもいっこうに出口が見えません。そこで一般的には家庭裁判所の調停を申し込み、調停員さんがはいります。

一概には言えませんが調停員さんは専門家ではないので、どうしても意見を押し付けてしまうなどして問題がさらに悪化する場合があります。(もちろんとてもすばらしい調停員さんもおられますがその人に当たるか運次第です)そして、調停は不調に終わり、裁判になります。

裁判では弁護士さんをお互いにつけてお互いの正当性を主張するために重箱のつつき合いになる場合が多く、時間もお金も、そして精神もすり減らしやっと一つの結論がでます。



その時には二人の関係はさらに悪いものとなっています。
考えたら当たり前のことです。お互い相手が悪い、私が正しいと争うのですから
仲が良くなる理由はいっさいありません。



二人だけの問題だったらまだ良いのですが、もしお子さんがおられた場合、
二人は一生子どもの親であり続けなければなりません。その時悪化した関係で
二人協力して子育てとはなかなかいきません。



そこで、私は離婚したい、したくないという相談を受けた場合、
お二人で来て頂きます。
そして離婚したい側は、相手を離婚するように説得し、
逆にしたくない側は離婚しないように相手を説得する。
そんな話し合いの場を持ちます。


もともと二人で話し合いができずこられた夫婦なので
それだけでは前に進みません。そこで私がお二人の会話の仲にはいり
通訳のようなことをさせて頂きます。そうすることで話が脱線せず、そして極力感情的にならず
一つの結論をだしていきことが可能になります。
そして、関係が修復出来たらそのまま夫婦であり続け、もし離婚を選択された場合で法的整理が必要な場合弁護士さんや
行政書士さんを紹介させて頂くような流れになります。



「もめずに話し合う」

そんな簡単なようで非常に難しい。
夫婦の話し合いの援助も心理カウンセラーの仕事の一つなのです。

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この記事を書いた人

心理士として、カップル、夫婦を軸に臨床活動、研究活動をライフワークとしています。。主に、不倫、セックスレスなどからの夫婦の修復や、意見がズレる時の葛藤解消を専門にしています。

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